研究_記録冊子の完成「学際シンポジウム 生き続ける琉球の村落」

昨年の10月6日に沖縄県立美術館・博物館で開催された、学術シンポジウム「生き続ける琉球の村落−固有文化にみる沖縄の環境観と空間形成技術」の記録がようやく完成しました。

高良倉吉氏(現沖縄副知事、元琉球大学教授)の基調講演や齊木崇人氏(神戸芸術工科大学学長)の総括をはじめ、多くの先生方に発表いただいた内容をできる限りわかりやすくまとめました。
このシンポジウムが開催されるちょうど1年前に中部大学(愛知県春日井市)で渡邊欣雄氏(國學院大學教授)による学際シンポジウムが開催されました。その小特集として沖縄がテーマに取り上げられていたのを受けて、「ぜひ沖縄でもシンポジウムがしたい」と、その日のうちに先生方にお願いしたのが開催のきっかけでした。
浦山隆一氏(富山国際大学教授)のご指導のもとで、私の元職場である株式会社国建の平良啓氏(取締役)をはじめとする現地のスタッフに支えられながらなんとか開催にこぎ着けました。
当日は来聴者が来るかどうか心配でしたが立ち見まで出るという、予想外の展開に驚きつつも安堵しました。

発表内容について、個人的には高良氏の「琉球の歴史と村落」に特に感銘を受けました。特に琉球における近世村落の成立についてその歴史的背景から見事に描き出されていました。さらには村落形成史にまで言及されたことは、私たちの目指す研究の方向性にも大きな影響を与えるものでした。
今回、このようなシンポジウムの開催と記録をまとめることができたのも、ご発表いただいた先生方をはじめ、開催を支えていただいたすべてのみなさまのお力添えがあったからだと思います。この場を借りて心から感謝申し上げます。
そして、またこのようなシンポジウムが開催できるように研究を少しでも発展させていきたいと思います。

なお、このシンポジウムと記録の一部は日本学術振興会科学研究費補助金の成果に基づくものです。

発行者:富山国際大学 浦山隆一
企画・編集:有明工業高等専門学校 鎌田誠史